近年、相続登記がされないまま長期間放置される土地が増え、土地の管理や公共事業、地域開発に支障が生じるケースが問題となっています。この制度は、所有者不明土地の増加という社会的課題を背景に創設されました。
不動産の登記名義人が亡くなっていても、相続登記がされなければ、登記簿から死亡の事実を確認することはできませんでしたが、符号表示制度により、相続登記がされていない不動産でも、登記簿上に死亡情報の符号が表示されるため、登記簿をみれば死亡の事実を確認することができるようになりました。
目次
1.符号の表示とは?
登記官が、自然人である所有権の登記名義人について、その人がすでに死亡または失踪宣告により権利能力を失っていると認めるとき、職権でその旨を示す符号(◇)を登記記録に表示することができます。
登記記録には、次の事項が記録されます。
登記年月日
登記の目的
名義人の氏名
符号(◇)
2.符号の表示が行われる主なケース
符号の表示は「申請」ではなく、行政内部の情報連携や審査の中で確認された場合に「職権」で行われるのが特徴です。
代表登記所からの通知
代表登記所で、住民基本台帳ネットワーク情報(住基ネット情報)や戸籍情報の照会により、死亡または失踪宣告が確認された場合。
管轄登記所独自の調査
下記のような手続や調査の過程で判明した場合も対象になります。
- 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法第44条第1項に基づく調査
- 法務局地図作成事業
- 他の登記申請の審査過程(例:法定相続分による相続登記など)
関係機関からの情報提供
地方公共団体の長等から情報提供があった場合。
3.符号の表示をしないケース
次のいずれかに該当する場合は、符号の表示は行われません。
- すでに符号が表示されている
- 通知された死亡者・失踪宣告者の情報が登記記録と一致しない
- 相続人申告登記がすでにある場合
- 長期相続登記等未了土地である旨の付記登記がされている場合
- 相続財産の分離の登記がされている場合
- 相続財産法人への名称変更がされている
- 遺贈による一部移転登記などがされている