1.会社・法人の印鑑届とは?
個人の実印を登録する場合は住所地の市区町村で手続きをしますが、会社や法人はその本店所在地を管轄する「法務局」に印鑑届の手続をすることで登録をすることが可能で、この登録した印鑑がいわゆる会社実印となります。
令和3年(2021年)2月15日以降、会社・法人における法務局への印鑑の提出は任意となりましたが、実際はほとんどの会社・法人において印鑑の提出を行っている状況です。
法人実印(代表者印)の大きさは「1辺が1cm以上3cm以下の正方形に収まるサイズ」である必要があります。(商業登記規則第9条3項)
形についての規制は特にありませんが、一般的には丸型の印影が使われます。
2.印鑑届を提出するケース
商号を変更したとき(代表取締役は変わらない場合)
代表取締役がAのみである株式会社甲において、商号を株式会社乙に変更する際に、「株式会社甲」と彫られた会社実印を「株式会社乙」と彫られた会社実印に変更する場合、商号変更の登記申請と同時に「印鑑届書(株式会社乙と彫られた印鑑+代表取締役Aの実印)」と「代表取締役Aの個人印鑑証明書(作成後3か月以内のもの)」を提出する方法で印鑑の提出を行います(同日ではなく後日変更することも可能です)。
代表取締役が変更したとき
①代表取締が交代するケース
株式会社甲において代表取締役がAからBに交代する場合、代表取締役Aは退任となることから、代表取締役Aの印鑑登録は自動的に廃止されるため代表取締役Aの「印鑑廃止届」の提出は不要です。
しかし、印鑑届出をする者がBに代わるため、Bの「印鑑届書」の提出は別途必要となります。
なお、後任の代表取締役が選定されないと登記申請をできる者がいなくなるため、代表取締役Aの退任による変更登記のみを行うことはできません。
②代表取締役が追加されるケースⅠ(印鑑廃止届は不要)
株式会社甲においてBが追加で代表取締役に選任され、代表取締役がAとBの2名となる場合、代表取締役Bが印鑑の登録をするかどうかは任意となります。引き続き印鑑の登録者をAのみとするのであればBが印鑑の登録手続きをする必要はありません。
Aに加えてBも印鑑の届出を行う場合は、Bの「印鑑届書」の提出も行うことになります。この場合、Bの会社実印につき、Aの会社実印とは別の印鑑を用意します。
③代表取締役が追加されるケースⅡ(印鑑廃止届が必要)
株式会社甲においてBが追加で代表取締役に選任され、印鑑登録者をBのみとする場合は、Aの「印鑑廃止届書」とBの「印鑑届書」の提出を同時に行うことになります。Bの印鑑届書にAの印鑑カードを引き継ぐ旨を記載することにより、Aの印鑑カードをBが引き続き使用することも可能で、Aが使用していた印鑑とは別の印鑑をBが登録することも可能です。
④既存の代表取締役の印鑑提出者を変更するケース
代表取締役がAB2名(印鑑登録者はAのみ)の株式会社甲において、新たにBも会社実印の登録をする場合は、Bの「印鑑届書」の提出も行うことになり、Bの会社実印につき、Aの会社実印とは別の印鑑を用意します。
印鑑登録者をBのみとする場合は、Aの「印鑑廃止届書」とBの「印鑑届書」の提出を同時に行います。Bの印鑑届書にAの印鑑カードを引き継ぐ旨を記載することにより、Aの印鑑カードをBが引き続き使用することも可能で、Aが使用していた印鑑とは別の印鑑をBが登録することも可能です。
⑤複数いる代表取締役のうち1名が退任するケース(印鑑廃止届は不要)
代表取締役がAB2名(印鑑登録者はAのみ)の株式会社甲において、Aが代表取締役を退任しBのみとなる場合は、Bが新たに印鑑登録をすることになりますが、Aの印鑑登録はAが代表取締役を退任することで自動的に廃止されるためAの印鑑廃止届は不要です。
Bが代表取締役A退任の登記申請人となり、同時にBの「印鑑届書」の提出を行うことになります。この時に、Bが登録する印鑑はAと同じ印鑑とするか新たな印影の印鑑を用意するかは任意となります。
会社設立をしたとき
会社の設立登記を申請する際に「印鑑届書」と「印鑑カード交付申請書」を提出することが一般的です。
会社の実印を変更する時
現在使用している会社実印が破損・紛失などにより新しく作り直す場合