司法書士には本人確認が義務付けられています。
特に不動産売買については「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(通称:ゲートキーパー法)にも司法書士による本人確認義務が定められており、決済当日に欠席することが事前にわかっている場合は、事前の面談・電話・本人限定受取郵便での書類のやりとり等、何らかの方法で本人確認をさせていただきます。
①決済当日に出席できなくなりました
決済当日にいきなり欠席されてしまうと本人確認ができません。
司法書士は本人確認をせずに登記申請することはできないため「実印と本人確認資料も持ってきたので書類は代筆します」というスタンスでも、そういうわけにはいきません。本人確認ができない場合は登記申請ができないのでその日の決済は中止せざるを得ません。
②本人確認資料を忘れました
決済当日に本人確認資料(運転免許証やマイナンバーカード)の原本を忘れた場合、取りに戻っていただきます。
登記手続きに使用するものではないとしても、なりすましや地面師の可能性を否定できないため買主様や融資銀行のリスクを考えると決済を進めることはできません。
昔、決済場所で本人確認資料を自宅に置いてきたお客様がいらっしゃいました。
決済場所の銀行ですべての書類を整えた後、その場は解散し、お客様と一緒にご自宅まで同行いたしました。
本件では本人確認資料の確認ができたのち、金融機関に実行の連絡をしてなんとかその日のうちに売主様に売買代金が着金し、登記申請まで終えることができました。
決済場所からご自宅まで2時間半ほどかかり、司法書士としては焦りを表に出さずにお客様と行動を共にしていたつもり(バレていたかもしれませんが)ですが、金融機関から伝えられていた融資実行のリミット時間ギリギリだったため肝を冷やしました。
移動時間中に「売却する物件の間取りをお伝え出来ますがダメでしょうか?」と言われましたが、聞いたところでその間取りが正解かもわからないですし、本人確認にはならないためお気持ちだけ受け取りました。