不動産決済とはなんですか?~司法書士の役割~

人生の一大イベントの一つといってもよいマイホーム等の不動産購入。
高価な買い物のため、通常は何回も経験して手続きに慣れていますという方は多くないと思います。
そんな不動産売買における「決済」の手続をご紹介します。

決済とは買主様が物件の残代金(売買代金からすでに支払済みの手付金や中間金を差し引いた残りの金額)を支払い、売主様が所有権の移転登記のための書類(権利証や印鑑証明書など)と物件の引き渡し(鍵の引き渡し)を行う最終手続きのことです。

目次

不動産売買の「契約」と「決済」

契約

不動産売買契約書を締結し、買主様から売主様へ手付金を支払う手続きです。
金額や引き渡し期日、特約事項などを書面で取り交わします。売買契約は口約束でも成立しますが、不動産のような高額な取引の場合は後日の紛争防止のためにも書面契約が基本となります。

決済

売買代金の融資、残代金の支払い、物件の引き渡し、不動産登記を実際に行う手続きです。

買主側の立場としてはちゃんと所有権がもらえない限り売買代金を払いたくない・・・。
売主側の立場としてはちゃんとお金がもらえない限り権利証を渡したくない・・・。
融資する銀行としてはちゃんと担保設定(抵当権登記など)されないとお金を融資したくない・・・。

ここに司法書士が決済に立ち会うことで手続きを円滑に進めます。

契約と決済のタイミング

不動産取引では、「契約」と「決済」を別の日に行うのが一般的です。
その理由として主に以下の理由があります。(もちろん以下のような理由がない場合は、事前に売買契約書の案文を確認したうえで契約と決済を同日で行う場合もあります)

住宅ローンの審査・融資実行

買主が住宅ローンを利用する場合、本審査や融資の申し込みに「締結済みの売買契約書」を提出する必要があるため。

売主の引っ越し準備

居住中の物件を売却する場合、売却の契約を結んでから新居へ引っ越す期間が必要なため。

特約事項条件のクリア

更地で引き渡すための建物の解体や境界確定測量など、契約後に完了させるべき条件(特約事項)があるため。

決済

①当日の流れ

買主様に融資がない場合は不動産仲介会社や司法書士事務所で行うケースもありますが、決済は通常、買主様が住宅ローンを利用する金融機関の応接室などで行われます。
買主様、売主様、不動産仲介業者様(仲介業者がいる場合)、融資先銀行の担当者様(買主が融資を利用して購入する場合)、司法書士が集まります。

司法書士が売買の対象物件や当事者、その他必要な書類を確認し当事者へ説明し、「人」「物」「意思」の確認をしっかり行ったうえで、登記に必要な書類がすべて整ったところで売買代金の決済(融資してOKです、売買代金支払ってOKです)を促し、売主様に無事着金されたことが確認出来たら決済の場は解散となります。
対象物件に売主が購入した際に設定した抵当権がついている場合は売買代金を返済に充てることが多いため、司法書士は事前に売主側の金融機関に連絡をして抵当権抹消の打ち合わせを済ませて置き、決済終了後に抵当権抹消書類の原本を受け取り登記の申請を行います。

②お金の流れと登記の順番

お金の流れとしては以下のような順序となります。
①融資銀行→②買主様→③売主様(→④抹消銀行)
登記の順序はお金の流れと逆になります。
(①抵当権抹消)→②所有権移転→③抵当権設定
上記のほかに売主様の住所や氏名に登記簿上の情報から変更があった場合は、抵当権抹消登記の前に住所・氏名変更登記も前提として必要となります。

司法書士の役割と責任

もし何らかの事情で登記ができなかった場合は大問題となります。例えば所有者名義が売主様のままになっているのをいいことに、買主様ではない第三者に売ってしまう(二重売買)や、融資銀行は担保(抵当権の優先弁済権など)を得ずにお金を貸したことにもなります。そうなると司法書士は損害賠償を請求されてしまい、不動産売買に絡む損害ですから数千万~数億円になることも考えられるため、司法書士は決済までに事前確認し各書類の写しをお願いしています。決済当日に突然現れる司法書士は、実は重い責任を負っているため、司法書士報酬は単に書類作成の対価としてだけでなく、各当事者の権利を保護するための登記を入れる責任を果たすことへの対価だと思っています。

参考記事

目次