株式会社の公告方法はどれにすべき?

目次

1.公告とは?

株式会社の公告は、決算公告(貸借対照表)や合併・資本減少・解散など、債権者や株主に重要な情報を伝える場面で必要となる手続です。
通常、最も頻繁に行うのは決算公告(貸借対照表の公告)かと思います。
実際に過料に処された話は聞いたことがありませんが、会社法上は公告を怠ると100万円以下の過料に処する規定があります(会社法第440条)。

実際には中小企業においてはしっかりと決算公告をしている会社は多くないと感じます。しかし、司法書士としては「決算公告はしなくてもよいですか?」と聞かれたら、義務違反となりますのでやるべきですと回答させていただきます。

2.公告方法の種類

1.官報

国(内閣府)が発行する日本国の機関紙です。法律や政令の「公布」、国家機関の決定事項、人事異動、会社の決算公告などの「公告」を掲載し、行政機関の休日を除き毎日発行され、2025年4月からは原則として電子化されています。
多くの会社は官報を公告方法として選択しています

2.時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙

全国紙でも地方紙でもかまいません。
しかし、官報に比べると掲載費用が高いため、この公告方法を選択している会社は多くはありません

ただし、合併や減資等の際に、各債権者への催告を省略するためのいわゆる「二重公告(ダブル公告)」を行う場合にスポット的に利用されることがあります。

債権者保護手続きにおいては原則として知れている債権者には各別の催告をする必要がありますが、官報公告に加えて、定款の定めに従い日刊新聞紙による公告又は電子公告をした場合は、債権者に対する各別の催告を省略することができます。(会社法第789条3項会社法第799条3項

3.電子公告

特定のアドレスのウェブページに公告内容を掲載する方法(例えば自社のホームページ)です。サーバー代やドメイン代を除き費用がかかりませんので、他の公告方法に比べて会社のランニングコストは低くなります。

決算公告をするときに、官報や日刊新聞紙は貸借対照表の要旨を掲載すれば済みますが、電子公告では貸借対照表の全文を掲載する必要があり、5年間掲載し続けなければなりません
また、登記手続きをする際は基本的には公告したことを証明する書類が添付書類となっているため、調査会社に当該証明書類を発行してもらう必要があります(決算公告の際は不要)。その費用として調査会社によって金額が異なりますが数万円~十数万円以上かかります。

3.公告方法の定め方

上記の公告方法を選ぶ際に重畳的な定め方は可能ですが、選択的な定め方はできません。
選択的な定めを良しとすると、債権者等の利害関係人はどちらの公告方法を確認すれば良いのか分からなくなってしまうからです。

<OK>当会社の公告は、官報及び日本経済新聞に掲載する。

<NG>当会社の公告は、官報又は日本経済新聞に掲載する。

なお、複数の公告方法を定めることは問題ありませんが、実務上は会社の負担が増えるだけですので基本的にはどれか一つを定めることが一般的です。

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