抵当権抹消書類を放置したことにより金融機関の委任状に記載されている代表者と現在の代表者が異なる場合

住宅ローンを完済すると金融機関から抵当権抹消登記用の書類一式が送られてきますが、この中には金融機関(通常は保証会社)の委任状が含まれており、その時点での金融機関の代表取締役が記載されています。
書類が届いても忙しさのあまりすぐに抵当権抹消登記をせずにしばらく放置した結果、金融機関の代表取締役が代わってしまうことがあります。

この場合でも不動産登記法17条には代理権不消滅という規定があるため委任状はそのまま使えます。

(代理権の不消滅)
第十七条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更

この場合の手続きの場合、従来は、申請書に「代表者の代表権限が消滅した旨及び当該代表者が代理権限を有していた期間の記載を記載することとなっていました。(平成5年7月30日民三第5320号民事局長通達)
しかし、現在(平成27年11月2日以降)は、以下の通達・登記研究により、会社法人等番号代表権が消滅した旨を記載する運用となっています。

その他事項欄の記載例
「登記義務者の代表者の代表権限は消滅している」
「〇〇〇〇の代表権は消滅しているが、委任状及び抵当権解除証書交付時に代表権を有していた」
「代表取締役〇〇〇〇の代表権は消滅した」

【平成27年10月23日民二第512号民事局長通達】
当該代表者が死亡等した場合であっても、当該法人が会社法人等番号を有する法人であるときは、当該法人の会社法人等番号を提供しなければならない。この場合には、申請情報に当該代表者の代表権が消滅した旨を明らかにしなければならないものとし、当該会社法人等番号によって当該代表者の資格を確認することができないときは、その資格を確認することができる登記事項証明書を提供しなければならないものとする。

【登研828号74頁】
代理権不消滅の場合には、申請情報に当該代表者の代表権が消滅した旨を明らかにしなければならず(当該代表者が代表権を有していた時期を明らかにする必要はない)。

また、当該会社法人等番号によって当該代表者の資格を確認することができないときとしては、平成24年5月20日以前の代表者でありかつ管轄外本店移転等が行われていたことにより、現在の会社法人等番号と閉鎖事項証明書記載の会社法人等番号が異なることにより法務局側で確認ができないケースが考えられます。

平成24年5月21日から、会社・法人等(外国会社・外国法人を除く。)の本店・主たる事務所の登記記録について、会社法人等番号の付番方法が変更されました。従来は、組織変更、他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記等をする場合又は管轄登記所が変更となる場合には、新たに作成される登記記録については、従前の登記記録に付されていた会社法人等番号とは異なる新しい会社法人等番号が付されることとなっていましたが、同日からは、従前の登記記録に付されていた会社法人等番号がそのまま変更後や移転後の新たな登記記録に引き継がれることとなりました。

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